分子ロボット倫理

分子ロボットを生体に投入するために必要なガイドライン案策定の研究を塩塚政孝(九州大学),河原直人(九州大学),標葉隆馬(成城大学),田中幹人(早稲田大学),吉澤剛(大阪大学)の各先生の指導の下で、分子ロボット研究者と進めています。2017年10月よりJST「人と情報とエコシステム(HITE)」において「分子ロボットELSI研究とリアルタイム技術アセスメント研究の共創」(分子ロボットELSI:代表 小長谷明彦)が3年間のプロジェクトとして採択されました。

研究目標

分子ロボットELSIの普及とガイドライン案の策定

背景

分子ロボットは生体分子で構成されるため生体との親和性が高いことが電子機械式ロボットとの大きな差別化の要因となっています。しかしながら、分子ロボットを医薬品として働かせるためには、単に技術的な難しさだけでなく、倫理的問題、法律的課題、医薬品ガイドラインに従った製造および認可など様々な課題をクリアしなければなりません。本研究では、倫理および医薬学の専門家を交えて、分子ロボットELSIの普及とガイドライン案の策定を目指します。

研究テーマ

  • 分子ロボットELSIとリアルタイム技術アセスメント技術との共創
  • 分子ロボットガイドライン案の策定
  • 国際学生コンテストBIOMODにおけるELSIの啓蒙と普及

分子ロボットELSIとリアルタイム技術アセスメント技術との共創

分子ロボットのように革新的な先端技術はともするとSF的な期待感と恐怖から思わぬ方向に展開してしまうことがあります。分子ロボットが社会に受容され、分子ロボット技術と人間のなじみがとれている社会を実現するためには、分子ロボット技術の社会への正しい情報発信と社会からのフィードバックが不可欠です。これを実現するために、標葉グループが開発するリアルタイム技術アセスメントシステムを活用します。

分子ロボットガイドライン案の策定

分子ロボットは生体分子から構成されるため人体や動物および細胞との親和性が高いことが、電子機器を用いた従来型のロボットとの大きな違いとなっています。しかしながら、分子ロボットを人体に投与するためには、技術的な障壁だけでなく、倫理的課題、法律的課題、医薬品認可のためのガイドラインの策定など多くの課題を解決しなくてはなりません。これらの課題を解決してゆくために、九州大学AROセンターの先生方の指導の元で、分子ロボット原則・基礎研究ガイドライン案・医薬品ガイドライン案の策定に取り組みます。

国際学生コンテストBIOMODにおけるELSIの啓蒙と普及

ELSIはガイドラインなどを策定すれば済むものではなく、実際の現場の研究に浸透させなければ意味がありません。このために、倫理に関わる先生の指導を仰ぎながら、国際学生コンテストBIOMODにおいて、学生達が取り組むテーマにおいてELSIの観点から考察することをJSTプロジェクトの村田智グループリーダー(東北大)を中心にBIOMODのメンターの先生と共に推進してゆきます。

研究会活動

2018年3月5・6日 仙台 分子ロボット倫理シンポジウム2018
2018年1月19・20日 博多 第4回分子ロボット倫理研究会
2017年11月11日 田町CIC 第3回分子ロボット倫理研究会
2017年3月13日 東大 1st International Symposium on Molecular Robot Ethics
2017年2月11日 田町CIC 第2回分子ロボット倫理研究会
2017年1月22日 田町CIC 第1回分子ロボット倫理研究会

研究発表

小長谷明彦:あいさつ,分子ロボティクス・第4回分子ロボット倫理合同研究会,JR博多シティ会議室,2018年1月19日・20日

小長谷明彦:分子ロボティクスの現状と今後の展望,人工知能学会合同研究会分子生物情報研究会(SIGMBI),慶應大学矢上キャンパス,2017年11月25日

小長谷明彦:分子ロボットELSI研究とリアルタイム技術アセスメント研究の共創について,第3回分子ロボット倫理研究会,東工大田町CIC多目的会議室4,2017年11月11日

Yoshizawa, Go; Konagaya, Akihiko : Moderator, Panel Session, 1st Int. Nat. Symp. on Molecular Ethics, Koshiba-hall, Univ. of Tokyo, Mar. 13th, 2017

小長谷明彦:あいさつ,分子ロボティクス・第2回分子ロボット倫理合同研究会, 東工大田町CIC,2017年2月11日

小長谷明彦:分子ロボティクス倫理の必要性について,分子ロボティクス・第1回分子ロボット倫理合同研究会,東工大田町CIC,2017年1月22日

論文

インタビュー「開発しながら協議する、生体分子ロボット」