小長谷研究室について

これまでに情報学、分子生物学、医薬情報学と幅広く研究してきた。現在、小長谷研究室では以下のテーマに注目している。

生命医薬情報学
生命医薬情報学と高性能計算の研究は、過去10年間にわたる理研GSCおよび東工大におけるGridおよびCluster Newton Methodの研究がベースとなっている。
Grid computingは大規模データベースならびに大規模計算を必要とするバイオインフォマティクス研究を推進するためにOBIGridを開発した。2000年代は計算機はまだ高価であり、ゲノム解析に必要な計算パワーを確保することが困難であった。各研究グループが所有するPCクラスタを持ち寄ることで400CPU規模のGrid環境を実現した。
Cluster Newton Methodは薬物動態解析におけるパラメタ推定法としてその実用性を試す段階となっている。薬物動態に関する知識、経験があればMATLABの勉強を少しするだけですぐにでも薬物動態モデルの研究を開始できる。また、Cluster Newton Method自体についてもユーザーインタフェースの構築や高速化など、情報技術の観点から改善の余地は多々ある。興味ある学生はチャレンジして欲しい。
– Drug Interaction Ontology with Dr. Sumi Yoshikawa (MEDINFO2004)
– Open Bioinformatics Grid with Prof. Kenji Satou (LSGRID2004)
–                                      with Dr. Fumikazu Konishi (NGC2004)
–                                      with Mr. Ryo Umetsu (LSGRID2005)
– Particle Simulation          with Dr. Ryuzo Azuma (BMC Bioinformatics 2006)
– Parameter-Parameter Dependency with Dr. Ryuzo Azuma (NGC, 2007)
– Irinotecan PBPK model generation  with Mr. Takeshi Arikuma (BMC Bioinformatics 2008)
– Feasible Solution Space Estimation using SVM with Mr. Takashi Watanabe (MT,2008)
– using kernel PLS with Mr. Kento Ozaki (BT, 2008)
– On-chip Parallel Programming with Mr. Haruki Satoshiro
        (ACS, 2010)
– Cluster Newton Method with Dr. Yasunori Aoki and Prof. Ken Hayami (NII-2011-002ESIAMJ 2014)
– Irinotecan Modeling on CNM with Mr. Kenta Yoshida et al.   InCoB2013  (BMC Systems Biology 2014)
– Beta Distribution on CNM with Mr. Pilippe Gaudreau and Prof. Ken Hayami   (NII-2013-002E, JCAM 2015) 

人工知能

人工知能に関する研究はパラメタ最適化、機械学習、オントロジーと多岐に渡るが、暗黙知の形式化(遺伝子知識スパイラル)ならびにより高度な論理推論に興味を持つ(小長谷2012AIlecture)。特に論理型言語に関しては第五世代計算機プロジェクトからの深い思い入れがあり、現在、Prologの拡張について学生と研究を進めている。特に、バイオ情報処理を研究するためにはゲノムに関する知識が不可欠であり、電子情報通信レクチャーシリーズとして「バイオ情報学」をコロナ社より上梓した。
機械学習や深層学習など人工知能技術がゲノム解析やオミックス解析などの大量データ解析に使える場面は多々ある。このような手法としての人工知能技術の適用にとどまらず、専門家の「知識」の領域にどこまで迫れるかに、本来の人工知能研究の意義がある。現在、このような観点から、次世代DNAシークエンサー配列データからの遺伝子発現調節ネットワークの推定(Bharata Kalbuaji)および論理推論を用いたセマンティックWEBシステムの構築(渡邊健太)を進めている。

分子ロボティクス

分子ロボティクスは生体分子を用いて、「感覚」、「知能」、「運動」の機能を持つ人工物を創成しようという研究である。現在、新学術領域「分子ロボティクス」アメーバ班では、アメーバのように動く分子ロボットの開発を進めている。すでに、リポソーム中に微小管および分子モータを組み込んだプロトタイプが稼働しており、今後、DNAオリガミやDNA計算が導入される予定である。
小長谷研究室では、実験系研究室との共同研究で、動画像解析および実時間可視化シミュレーションの研究を進めている。
– Microtubule realtime visual simulation with Prof. Kakugo  (IJAC 2016)
– AFM image analysis with Prof.  Yuexing Han (NGC2015)
– Molecular animation with Prof. Ueno  (JBCB 2015)