分子ロボット創薬

2040年のある日のこと。A男は昨晩は少し飲みすぎたなと思いながら冷蔵庫から一本のドリンクを取り出した。「二日酔いに効く分子ロボット10億個配合」、今日はMRゴールドにするかと言いながら一気に飲み干した。

こんな日がいつか本当に来るかどうかは今は知るよしもないが、未来の分子ロボットが本当に身体の中で活躍する日がきてもおかしくないと考えている。生体分子から構成される「分子ロボット」の一番の特徴はやはり生体との親和性にあろう。T細胞やB細胞のように身体をパトロールするような分子ロボットが登場すれば、社会は大きく変わるかもしれない。そこまでいかなくても、何かしらの機能を持つ「超分子システム」を創ることができれば、十分「分子ロボット」と呼ぶことは可能であろう。

近年、薬の概念も大きく変わりつつある。一昔前なら夢物語と言われていた、核酸、ペプチド、抗体が薬として実際に使われてきている。その延長には、様々なDNA、RNA、ペプチド、タンパク質、脂質分子などの生体分子を組み合わせた「分子機械」、「超分子システム」がある。分子機械にセンサーやアクチュエータや知能を持たせ、細胞のように自律的に動作する人工物を目指しているのが「分子ロボット」である。このような分子ロボットのコンセプトに基づく「創薬」は果たして可能なのだろうか。

今は、まだ、答えはない。しかしながら、分子ロボット技術は着実に進歩している。

研究プロジェクト

・科研費基盤(A)「分子ロボティクスによる糖尿病モデルマウス血糖値制御法の研究」(代表小長谷明彦, 2017-2019

研究会

2017年11月25日(土)慶應大学矢上キャンパス
第64回SIGMBI: 分子ロボティクスの今後の展望について
 分子ロボットの創薬応用への可能性について –

2018年5月18日(金)CBI学会研究講演会(大阪、グランフロント大阪 ナレッジキャピタル)
「分子ロボティクス:これまでの成果と創薬応用への可能性について」(仮)